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国チャレ 第77回

("01年7月31日 出題 / アクセス数 262)

  今回は、古文の敬語についてです。まず、基本的なポイントをまとめておきます。

[1] 尊敬語
  動作や状態の主体 (動作主) となる人に対する、話し手 (書き手) の敬意を表す。「……なさる」「お……になる」などと訳す。
 (敬意の方向) 地の文:作者 → 動作をする人、会話文:会話主 → 動作をする人

[2] 謙譲語
  動作や作用の受け手に対する、話し手 (書き手) の敬意を表す。「……し申し上げる」などと訳す。
 (敬意の方向) 地の文:作者 → 動作を受ける人、会話文:会話主 → 動作を受ける人

[3] 丁寧語
  話し方や書き方を丁寧にして、聞き手 (読み手) に対する敬意を表す。「……です」「……ます」「……ございます」と訳す。
 (敬意の方向) 地の文:作者 → 読み手、会話文:会話主 → 会話の聞き手


  さらに、二重敬語について。

[1] 二重敬語 (最高敬語)
  尊敬+尊敬 …… 身分の高い人に用いる。

[2] 二方面への敬語
   謙譲+尊敬 / 尊敬+丁寧 / 謙譲+丁寧
 …… 動作をする人、受ける人、聞き手 (読み手) のうち、二人に敬意を表す形。

※ 今回は、これらのポイントを参考にしてください。ヒントはなしで行きます。


【問】 次の下線部の敬語について、(i) 敬語の種類、(ii) 誰から誰に対する敬意を表したものかを、例にならってそれぞれ答えよ。ただし、[   ] の内容は、こちらで補ったものである。

(例) 惟光 (これみつ) [は源氏を] 尋ね 聞こえ て、御果物などを参らす。
 (答) 謙譲語、作者 から 源氏

(1) 帝、なほめでたく思しめさ るる こと、せき止めがたし。

(2) 惟喬親王 (これたかのみこ)、例の狩しに おはします 供に、馬の頭なる翁つかうまつれり。

(3) 翁、皇子に申すやう、「いかなる所にかこの木は さぶらひ けむ。」

(4) [大納言殿が中宮定子に] 「あはれともや 御覧ずる とて。」などのたまふ御ありさま、これよりなにごとかはまさらむ。

(5) 「君はあの松原へ入らせたまへ。兼平 (かねひら) はこの敵防ぎ候はん。」と [兼平が義仲に] 申し ければ、


解 答

(1) 尊敬語、作者から帝  (2) 尊敬語、作者から惟喬親王
(3) 丁寧語、翁から皇子  (4) 尊敬語、大納言から中宮定子
(5) 謙譲語、作者から義仲

※ 現代語の「ご覧になる」「申す」は、それぞれ尊敬語、謙譲語であることからわかると思ったのですが、意外に (4),(5) の正答率が低かったです。また、「兼平が義仲に申しければ」というくだりにだまされたか、「兼平 → 義仲」の誤答も多かったです。あくまで地の文なので、作者から動作を受ける人への敬語となります。


成績優秀者

順位ハンドル素点最終到着時間
 地蔵 さん [初制覇]100- 8/ 1, 00:00
 辻。 さん100- 8/ 1, 00:00
 CRYING DOLPHIN さん100- 8/ 2, 00:00
 溝部 光洋 さん100- 8/ 2, 00:00
 LION さん100+ 8/ 2, 22:52
 L.O.N さん100- 8/ 3, 23:25
 のわのわ さん100- 8/ 4, 00:00
 圭太 さん100- 8/ 4, 00:00
 とらいしくる さん100- 8/ 4, 09:54
10 Hamayan さん100+ 8/ 6, 21:15
11 mhayashi さん100+ 8/ 6, 23:05
12 BossF さん90 8/ 3, 16:25
13 tub@sa さん70 8/ 1, 22:50
14 bobsan さん70 8/ 4, 02:29

おめでとうございます! (参加 14名 / 8月6日 確定)

※ ちなみに、地蔵さんのリトライタイムは、31日の23時35分でした。


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Author: Mikitty
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